限度あり

ここ最近、朝になるとベランダの前で日向ぼっこを楽しんでいる、ふたりがいる。
さくらがのんびりと気持ちよく日向ぼっこをしていると、はるも！とスグにやってくる。



はるに、またがれても、もう慣れました。



しつこくクンクンされても、日向ぼっこに集中できます。



日向ぼっこしている近くで暴れられても、大丈夫！



何があっても、慣れました。



はるの鼻先を押し付けられても、へっちゃらです。



しつこくクンクンされても、つくり笑顔さえできるのです。



さくらちゃん、もう大丈夫なんだね。
はると一緒に暮らすことで、はるのことをわかってあげられたんだね。
互いが互いを受け入れる、とっても大切なことなんだよね。



はるの振りかえり視線攻撃にも、慣れたんだね。
・・・・・・。　少しさくらの表情が凍りついて見えるのは、私だけなのかな。
まさかっ・・・・・ねっ。　慣れたんだもんね・・・・・・っ。　
一緒に暮らすことで互いがっ・・・・・・。



『　私にも限度ってものがある！　柴犬には柴距離っていうものが大事なんだよ！』　と、
さくらは捨てせりふを残すように、目で伝え、少し怒り気味なさくら。



そして、いったい全体、さくらちゃんが何を怒っているのか意味不明な柴犬が、
ベランダ前に置き去りにされる瞬間を見てしまった、私。

ふたりのどんよりとした空気感とは、うらはらに、
ベランダ前は明るく元気ののいい太陽の日差しが降り注いでいる。
あひゃぁ～と、大きな深呼吸をしてみた、私。
ジロっと、私をみる、さくらとはる。
気持ちがいい朝だというのに。
なんだろうか、このどんよりした空気は・・・・。