恐怖体験

ベッドの上でゴロンと寝転び、本を読んでいると、
ふたりの会話がはじまっていた。



何を話しているのだろうか？



相談事？　ごはんのこと？　散歩でのこと？
遊びのお誘い？
今日のお天気のこと？　将来のこと？



ふたりで話しているとき。
ここには、私の存在はない。
それがとっても面白い。



ふたりの会話が終わり、さくらは部屋を出て廊下へと。
ということは、この部屋に残るは、はるだ。



なぜか、身動きせずに、物音をたてずに、息をひそめた、私。



ついさっきまで、さくらとはるがお話する和やかなホームドラマを観ていた気分でいた、私。
今は、まさにホラー映画を実体験しているかのような気分の私。



あははははっ！　みつかっちゃったっ！
なんとも言えぬ顔の、はるに思わず笑ってしまった。



この後は、スグにベッドの上に乗ってきて、私をペロペロ攻撃。



こんな、はるをとっても可愛く思う。

だけどね、昨日の夕方のベランダで、貴方、
カナブンをつかまえて食べたでしょうぉ～。
時間が経っているとはいえ、カナブンを食べた口で、ペロペロされるのは、
私としては、ちょっと考えられないんだけどぉ～・・・・・。
ギョォエェ～。　　我が家のホラー映画はひとあじ違います。